ナニワアームズ商藩国

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zoom RSS 戦争準備状況1

<<   作成日時 : 2007/01/09 16:20   >>

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 戦時法動員開始は各国を、主に財政面で震撼させた。
 それは、ナニワアームズ商藩国も例外ではない。

 ――――――――――――
 ナニワアームズ商藩国 行政本部会議室 円卓(こたつ)

 とりあえず、冒険の次はなんじゃらほい?とか思いながら、藩王サターンはみかんをむいていた。離れる王猫、猫は柑橘系が大嫌いである。
「いいんですかね。こんなんで」
 向かいに眼鏡の無精ひげを生やした男が座っていた。名をくろがねという。
「うーん。とにかく何か特産品を作らないとねえ」
「財政ですか・・・まあ、サイボーグは金食い虫ですからねえ」
「その分強いからねえ、漢の浪漫だと思わないか?」
 おいしそうにみかんを食べるサターン。くろがねはいくつかのみかんを手に取り、味の優劣を予想している。
「行儀悪いなあ。そういうの、親に注意されなかった?」
 ぼやく乃亜T型。白に近い灰色の切髪が特徴の女性である。
「どれだって一緒じゃん」
 はす向かいに座るけけが言った。なんかよくわからない石柱を机上においている。
「なにそれ?」
「良くぞ聞いてくれました。これはさる王族がかつて身につけていたとされる緑柱石のペンダントで、持っているとかつての王国の兵が魂魄となって所持者を守るという・・・」
 また呪いアイテムかよ、と全員うんざり。
「で、問題なのは財源ですよね・・・。やはり特産品が欲しいところですが」
 書類を山にしながら守上が言う。電卓が軽快な音を立てながら、悲惨な数字を表示した。
「うーん、黄金探しでも行く?」
 黒を基調とした服装の男、兄猫がみかんを食べながら口を開いた。
「あ、もう冒険は終わったのか」
「次どうなるかしだいじゃないですかね?」
 猫耳をうごかしながら、じんべえが言った。
「会議は踊るされど進まず」
 蘭堂が結論付けて立ち上がった。
「なんか売れそうなものでも作っておきます」
「あ、じゃあ、オレらもSS書くよ」「こっちも絵を用意するかな」
 くろがねと兄猫、乃亜と守上も立ち上がった。
「ちょーっとまったー! 上の方から、ニュースニュース!」
部屋に吏族の二人、sakakiとうさぎが駆け込んでくる。
「ん、なーに?」
 こたつに入ったまま、そちらを向くサターン。
「ただいまから、戦時法が適応されます!」
「各藩国は資金10億と燃料10万tを提出しろと!」

ぱちぱちと電卓で計算し始める守上。
「赤字ですね・・・」
 その一言に全員が凍りつく。考えは一緒だった、もう借金はやだ。
「なんとかならない、かな?」
 青い顔の兄猫。ホープ似だが、その顔の青さは、義体には到底出せないような色だった。
「あ、燃料1万tは資金2億と交換するして支払いすることが出来るそうです」
 素早く立ち上がるサターン。
「全員直ちに仕事に取り掛かれ!SS、イラスト、なんでもかわん!急いで金を稼げ!」
全員が立ち上がる、そして借金以来の合言葉・・・二度と唱えられることの無いと思われていた言葉が、全員の口から発せられた。
「ノーモア赤字!ノーモア借金!」

 そして、戦争準備が始まる・・・。

「あー、あー、テステス。えー、ごほんっ・・・。どうもこんにちは、あなたのサターンです。現在、戦時法が適応されています。繰り返します、現在戦時法が適応されています」


画像

(挿絵作成:アズマ)
 
 戦時法適応に伴い、I=D工場の隅っこにみかん箱が3つ並べられていた。その隣にはダンボールで『臨時I=Dデザイン室・ぼくのかんがえたアイドレス』と書かれている。二度借金を負った藩国としては、浮かせられる資金は可能な限り浮かせるのが、もはや常識と化していた。
 その前で藩王サターンと二名の技族、乃亜T型と守上藤丸が頭をひねっている。
「いや、頭部はヘルメットのみって・・・」
「もっと、肩周りをすっきりさせてもいいんじゃないですか」
「ツノつけようぜツノ」
 現在デザインコンペに向けて、新型I=Dアメショーのデザイン中である。藩王サターンが中心になって、技族二名と真剣にデザイン案を煮詰めている。
「思い切って萌えに走るか」
「それよりロマンスグレーとかいいんじゃないですか?」
「とりあえずツノつければかっこよくなるんだって」
 あー・・・きっと、真剣なんだと思います。彼らなりに、うん。

 一方そのころ、藩国会議室。
「なんで藩王がデザインで、文士のオレが書類整理しとるんじゃー!」
 くろがねが叫びながら、書類を宙に投げる。猫、ダイビングキャッチ。関係各所へ書類を運んでゆく。
「くろがねさん、摂政じゃん。守上さんも摂政だけど、デザインに行っちゃってるし」
 隣で同様に書類を処理しながら、兄猫が答える。
「文士ってさー、もっとSS書いたりしてさー、なんかこう、労働とは無縁な感じだと思うのよ。事務って吏族の仕事じゃないの?」
「その吏族は、天領でもっときつい事務仕事してますよ」
 くろがねと兄猫、同時に書類を投げる。猫キャッチ、アンド、ゴー。
「戦時中です、出来ることをやりましょう」
「兄猫さんは大人ですなあ」
「技族だって、期限付きでI=Dデザインしないといけないわけですし。大族の人も、売れそうなもの作って資金を作っている最中ですよ」
 シンクロして書類を投げる二人。猫走る。
「もっとこう、楽な仕事にすりゃよかった」
「いい加減、愚痴をこぼさない」
 書類を投げる。キャッチ。ダッシュ。

「あー、こっちの資材は・・・、すぐに使えるように上の階層へ。こっちのは天領に出すやつだから、地上まで運んじゃって」
 第三階層でじんべえが資材の流れを管理している。戦時中につき、必要なものをすぐ使えるように整理している最中だった。目の前を数台のトラックが走ってゆく。
「こっちは終了。そっち手伝うよ」
「人員整理も大体終わった」
 蘭堂とけけが駆け寄ってくる。
「んー、じゃあ蘭堂さんは天領提出用の燃料をかき集めて。けけさんは資金関係」
 二人に書類を分配するじんべえ。
 さらにそこに、二匹の猫が書類をくわえてやってきた。じんべえの手の上にさらに、数枚の書類を置いていく。
「なんか、休む間もないって感じだな」
「今頃みんな、同じ事言ってるかもしれないよ」
「いや・・・デザイン班はどうだろう」
 苦笑する三人。みかん箱を囲む三人の姿が、ありありと想像できた。
「・・・働こうか」
「そうだねえ、やれることをやろう」
 そういって三人は、それぞれの仕事場に散っていった。

「あー、あー、テステス。えー、ごほんっ・・・。どうもこんにちは、あなたのサターンです。現在、戦時法が適応されています。繰り返します、現在戦時法が適応されています。
各員は健康第一、安全第一で作業に臨んでください。決して無理はしないこと、決して一人で全ての作業しないこと。何かあればすぐに連絡を取ってください。
それではがんばりましょう。共に和して自由の旗に栄光を!お相手はあなたのサターンでした」

(文章作成:くろがね)

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